60年代 日本製のウクレレ 剥がれ修理、塗装、ニス仕上げ

<Ukulele Repair Gallery>

僕はウクレレのリペアーとかまったくやったことありませんが
Netで調べたり人に訊いたりで完全自己流で
Nakashima 」ウクレレを治してみまーす♪

 

日本のハワイアンブームの中誕生した

60年代のウクレレでしょうか?


プラスティックのフリクションペグでブレイシングが一切ない合板ウクレレ
その当時の名古屋の中島楽器さんのメーカーみたいで
Venus」ってブランドでもウクレレを出してます

★のロゴがアメリカっぽさをだしたかったんでしょうか・・・
現在にはあまり見ないチープさが

かえってヴィンテージ感が漂よわせてます(笑)
 

合板が剥がれてます
シールも貼られてる~
しかもなぜか?TOPだけ塗られていない?なぜ?
他サイド、バック、ネックなどはワインレッドに塗られているのに。


合板ウクレレの剥がれには怖い体験談(オリオン: FaKIN' It)を知ってるので。
しかもこのオリオンウクレレはブランド名が違うだけで
このナカシマウクレレと全く同じウクレレ

(指板の斜めカット、ペグで同じだとわかりました)
油断したら同じ事態に~!ひえ~~~~
慎重に慎重に・・・

埋め木

部屋に奇跡的にあった
ローズウッドの破片を埋め込んでみた(でも、これが厄介なことに・・・)
厚みがぴったり!
隙間はかくれん棒5色&住まいのマニキュア5色セット で穴埋め

②クランプ&擦り込み
写真は後から再現した様子ですが・・・
こんな感じで①を普通のキャップが赤で容器が黄色のどこにでもある
木工用ボンドで付けてこの上記写真のようにクランプ(100円ショップ)して
がっちり着くまで寝かします♪

 クランプの注意!
 上記写真のように木材を下敷きにしてクランプしないと
 クランプの力でクランプした場所(ねじがBodyにあたる部分)が
 凹んで帰らぬ人になってしまいます。(これも1度経験済み)
 木材に写真のようにガムテープなどを巻くとより跡も残らなく
 滑りません♪

で、
基本、液体が乾いて固まる系(接着剤や塗料など)は乾くと弱冠痩せますよね?
で、木工用ボンドも乾くと痩せるので

1度、クランプして乾いて痩せた傷口(隙間)にさらに木工用ボンドを
脇をしめてねじ込むように明日に向かって打つべしっ!

打つべしっ!

根気よく擦り込ませます。
余計なとこにはみ出したボンドは濡れた布でふき取り
また
クランプして寝かします。

この間、1度ウクレレの事は忘れて

さあ、眠らない街に繰り出しましょう♪レッツ!ゴー!
ゴー!ゴー!

 

埋め木&擦り込み

 別の傷口、上記①②と同じ作業です。
 
③シール剥がすし

 シールはドライヤーで温めて剥がして

 サンドペーパーでこすればだいたいOK

全体で見ると
こんな仕上がりです
少しはまともになったでしょ?
で、
ここでようやくローズウッドの色があまりにも目立ちすぎることに気付く(泣)


 だが
もう走り出したら止まらないぜ!土曜の夜の天使さ~♪

 

しばらく眺めて・・・
最初は想定していなかった塗装に踏み切る

 

 

 

研磨

 まず、汚れと塗られていたラッカー?

 かな?を取り除くため
 ペーパーでひたすら磨きます

 最後の仕上げまでこの「磨く」

 作業が何度も何度続きます
 (あまりにも「磨く」に没頭しすぎてこの辺

 の写真撮るのをすっかり忘れてます(笑))


 強く擦りすぎてBodyに傷が残らないように

 なるべく100番ぐらいから最終的には

 400番ぐらいの目の細かいので
 ツルツルぬなるまで丁寧に磨きましょう。
 
チェック!
 でキレいに磨き終わったらゴミをキレイに吹いて 断面をチェック!傷が残ってると塗装した時にもその傷が返って目立ったりするのでここは慎重に。

前にこれで失敗し立時、この作業のポイントを経験者に訊いたら
「化粧も塗装も下地が大事!」と言われました

素人は塗れば綺麗になると思いこんでしまいがちですが、この状態でキレイになっていなければ塗ってもキレイに仕上がりません。


 ④⑤を何回か繰り返します


⑥下地塗り
 プライマーなるものを塗ります

(今回はスプレーのを購入、スプレー特有の泡立ち注意!)

 塗料がのりやすいように塗るものみたいですが

 素人の僕にはあんまり効果がわかってません(笑)

1回目の吹付の時に泡の気泡が出来ないように注意してください

刷毛を用意して泡が出来てしまったら刷毛で塗り治したほうがいいです

塗りすぎてが出来たりするのも後に厄介なことになるので
後で磨くからと言って雑に塗らないほうが次の工程の作業が
しやすいです。


これも3回ぐらいに分けて塗りました。で1日ウクレレを干しときます
見た目は1時間ぐらいで乾いていますが、まだまだ柔らかいので待ちましょう♪
1日でやってしまおう!としないほうが無難です。

 

 

 

⑦下地を磨く

   (写真は後日別のウクレレ)下地がしっかり乾いたら
 これまた目の細かいペーパーでツルツルになるまでひたすら磨きます
 上記、写真のように下に滑り止めのゴムシートみたいなのをしかないと
 作業しづらいのと裏面に傷がつくので要注意!

 

 

 上記写真のように白い粉みたいになるんですが

 これも布でキレイに拭きとり

 ここも後に影響するのでキレイになるまで何度も
 レフトハンド~ライトハンド~

 

⑧塗装
 
今回は水性のニス仕上げなんですが
 水性のポアーステインという木に染込ませるタイプのを使用しています

 これはラッカーに比べ「柔らか仕上げ」なので音質の劣化になるのですが
 家庭用で水道水に流しても害のないのを選びました

 バックやサイドと同じ色にするために赤い顔料を少し青のステインに混ぜて
 薄く塗り乾いたらまた薄く塗るを5回ぐらいに分けて塗りました。

 

  *刷毛について

   刷毛は1回液体の塗料に毛先を浸すだけでかなりの塗料を毛先に
  含んでしまいます。
  今回、僕が使ったポアーステインでTopだけ塗るぐらいなら
  塗料をほんの少しずつ毛先に付けて豆に塗るほうが無難です
  塗料が多く含み過ぎて塗ったときに塗料の水たまり(ムラ)が出来たら
  即、布でふき取りましょう
  ほっとくとムラになります

 

 最初の状態よりはだいぶましになりました♪

 あえてローズウッドの埋め木が目立たないようにムラを作った部分もあるんですが
 かなり余計な塗装のムラが残りました(笑)
 TOPのサイドも少し青を多めに入れて目立たなくしたつもりなんですが
 写真では効果があったのか?分かりずらいですね~

⑨仕上げ

よ~くニスが固くなってから

コンパウンドでまた磨きます

 

せめて1日は寝かせましょう!前にLUNAを緑に塗ったときに
あんまり乾いてないのをコンパウンドしてクスミが残った経験があるので注意!!

 

で、やっと

写真でご覧の通りツルツルのピカピカになりました!

しかも、割れてた部分もよ~く見なきゃわからない!あら、不思議♪
やったー!

やったー!

 

中島楽器の中島社長!(知り合いでも何でもないですが、しかもご存命か?)
やりましたよー!


 そして、弦を張って弾いてビックリ!
 
 来たーっ!爆鳴り~~~っ♪


ブレイシング一切ないのに良く鳴る~ なぜだ?

合板ウクレレ!
初対面の時は薄汚い世捨て人に見えた君が、
まるで別人28号!Wow-!

 

が、

すべてがうまく行った訳ではありません。
この画質の粗い写真で見ると完璧な作業に見えますが
所詮、素人の初めての作業なのでかなり荒が・・・
(塗装のムラ、ごみ付着など)


でも、何の知識も経験もなくここまで出来たことに
とても満足♪

たぶん、治さなければ楽器としての選手生命は
終わっていたはずのNakashima Ukulele
また、新たな人生がスタートしました!!

比べてみると!